La Bonne Pioche

   Sud-Ouest Andillac  1 ha bio  nature
ラ・ボンヌ・ピヨッシュはフランス南西のアンディヤックにあるドメーヌです。造り手のヨアン・ルジエは、妻がアメリカ人であったため、当初アメリカでソムリエをしていました。そこで、世界中のありとあらゆるワインを試飲したヨハンは、ナチュラルワインに強く引き付けられていきました。土地とそこに根差した食、そして自然を愛する二人は、フランスに戻ってドメーヌを設立。ヨアンは標準化されたワインにうんざりしていました。クラシックなものや、居心地の良い場所から抜け出して、ちょっと変わったワインを消費者に提供したいと考えていました。そこで、自身の感性のおもむくまま、そしてブドウが自発的にどうなりたいかに寄り添ってワイン造りをしています。今回、ヨアンが手掛けたのはモーザックのペット・ナットとオレンジワイン。これまでの南西のワインにはないユニークな個性を備えたワインが誕生しました。
  

Simple et Funky

サンプル・エ・ファンキー
VDF
品種:モーザック100%
 
手摘みで収穫したブドウをダイレクトプレスして野生酵母のみでステンレスタンクで温度管理を行わずに自発的に発酵。メトッド・アンセストラルで、アルコール発酵が完全に終了していないワインを、残糖を残して瓶詰めし、瓶内で完全にアルコール発酵を終了させる。ア・ラ・ヴォレでデゴルジュマン。ドザージュはゼロ。モーザックが酸化しやすい品種であるため、SO2は発酵直後に限り極少量のみ添加。その後は、瓶詰め時もデゴルジュ時も無添加。2021年の収穫日は9月6日。ティラージュは10月29日。2022年2月2日デゴルジュマン。アルコール度数11度。総生産量600本。2022年12月時点のSO2トータルは39mg/l。
ヨアン自身のコメント:私はペット・ナットを造るのが楽しみでした。ペット・ナットの難しさは、ちょうどいいタイミングでボトリングすることです。早すぎると泡が多くなり、遅すぎると泡が足りなくなってしまうからです。しかし、今回は満足いくものができました。美しい泡に、とても存在感のある果実味。食事のたびにこれを抜栓したいくらいです。キュヴェは文字通りシンプルでファンキーな味わいであることからサンプル・エ・ファンキーと命名しました。

  
  

Rêverie

レヴリ
VDF
品種:モーザック・ヴェール50%、モーザック・ローズ50%
 
モーザック・ヴェールとモーザック・ローズが1/2ずつ混植されている区画のブドウをフィールドブレンドで同じ日に手摘みで収穫し、2品種を同時に除梗・破砕して、果皮とともに野生酵母のみでステンレスタンクで温度管理を行わずに自発的に発酵。マセラシオンは3週間。最初の1週間はピジャージュ、次の2週間はルモンタージュでマセラシオン。圧搾後、引き続きステンレスタンクで自発的なマロ発酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。モーザックが酸化しやすい品種であるため、SO2は熟成中の澱引きの際に限り必要最小限のみ添加。瓶詰め時は無添加。2021年の収穫日は9月5日。アルコール度数12.5度。総生産量900本。2022年12月時点のSO2トータルは29mg/l。
ヨアン自身のコメント:モーザックは酸化しやすく、アロマをフレッシュに保つのが難しい品種と言われています。このワインはその難しさに対する答えです。酸化と戦うのではなく、あえて積極的にマセラシオンを行う醸造を行いました。人生とは時にうまくいくもので、一度は酵母の活動が止まりましたが、年明けには全ての酵母が活動を再開し、少しの残糖分を残した、まろやかさのあるワインが生まれました。非常にアロマティックで、きれいな酸と丸みのあるワインに仕上がりました。キュヴェ名の『Rêverieレヴリ』とは、フランス語で「夢想」・「空想」という意味です。