MANUEL PULCINI

   Toscana Lucca  2.3ha   biodynamica  nature
Manuel Pulciniマヌエル・プルチーニはローマ生まれの現在35才。自然にワイン造りに関心を持ったマヌエルはピサ大学でワイン醸造学の学位を取得。その後、モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践するトスカーナの幾つかのワイナリーで働き、ビオディナミとナチュラルワイン造りへと惹かれていきました。トスカーナのルッカ近郊に約2.3ヘクタールの耕作放棄されたブドウ畑を借りて2017年1月に自身のワイナリーを設立しました。マヌエルが目指したのは、ブドウ畑に新しい生命を吹き込み、現代的醸造学のワイン造りから解放された、自然を尊重したワイン造りのプロジェクトでした。醸造においては、人為的介入を最小限にし、化学的な技術や人工添加物は一切使わずに、野生酵母による自然な発酵でワイン造りを行っています。SO2は、ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加しています。
   

Marròca

マロカ
IGT TOSCANA BIANCO
トレッビアーノ70%、マルヴァジア10%、その他20%
 
ブドウは手摘みで収穫し、トレッビアーノとその他の品種は全房で圧搾、マルヴァジアは除梗・破砕して数日間のスキンコンタクト。低温で清澄した後、品種毎別々に野生酵母のみでステンレスタンクで自発的に発酵。その後マロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2022ヴィンテージは総生産量2,300本。2023年5月時点のSO2トータルは35mg/l。アルコール度数は12度。
このキュヴェは、自然の四大要素の中の『水』を象徴しているワインです。マロカとは古いトスカーナの方言で「井戸の怪物」を意味します。マロカは神話の中の怪物で、下半身が人魚の美しい少女です。危険で恥ずかしがり屋で、井戸に隠れて子供を誘拐して食べてしまうと言われていました。母親達は子供が井戸に近づかないように注意していました。エチケットのイラストはこの井戸の怪物マロカです。

  
    

Bercio del Sirca

ベリチオ・デル・シルカ
IGT TOSCANA BIANCO
ヴェルメンティーノ40%、マルヴァジア30%、その他の白品種30%(うち20%は8月に早摘みしたブドウ)
 
収穫は手摘み。ヴェルメンティーノとその他の品種は全房で圧搾、マルヴァジアは除梗・破砕して数時間のスキンコンタクト。低温で清澄した後、品種毎別々に野生酵母のみで自発的に発酵。その後マロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2022ヴィンテージは総生産量1,400本。2023年5月時点のSO2トータルは45mg/l。アルコール度数は11度。
このキュヴェは自然の四大要素の中の『風』を象徴しているワインです。『ベリチオ・デル・シルカ』とは古いトスカーナの方言で「悲惨な悲鳴」を意味します。このワインが栽培される区画は、ブドウ木が畑の傾斜に対して水平に植えられています。このため、強い風が吹くとブドウ木がナイフのように風に切り裂かれ、支柱のワイヤーに触れて「悲鳴のような」音を発することが名前の由来です。

  
    

Pis.Mut

ピス・ムット
IGT TOSCANA ROSATO
品種:サンジョヴェーゼ70%、カベルネ・ソーヴィニョン10%、その他の品種(カナイオーロ、チリエジョーロ、シラー、メルロー)20%。
 
醸造:手摘みで収穫したブドウを品種毎別々に全房でオープントップの発酵槽に入れ、足でソフトに櫂入れを行い、一晩マセラシオン。その後圧搾して果皮を取り除き、野生酵母で温度管理を行わずに自発的に発酵。醸造添加物は一切加えずに醸造する。その後、ブレンドしてステンレスタンクに移してマロ発酵と熟成。無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2022ヴィンテージは総生産量730本。2023年5月時点のSO2トータルは48mg/l。アルコール度数は12度。
イタリアでは、ロゼワインのアルコール度数が高すぎることがよくあります。これは、生産者が赤ワインを濃縮するためにセニエ法でロゼワインを造るためです。これはいわば赤ワインの副産物のロゼです。しかし、私のこのロゼのキュヴェは、収穫の段階からロゼを造るためだけに適切な熟度のブドウを摘み取り、シチリアの古い方言で、『pistammuttaピスタムッタ』と呼ばれる、伝統的なロゼワインの手法を用いて醸造したものです。ピスタムッタを略してPis.Mutピス・ムットと呼ぶことからそれをワイン名にしました。

  
    

Le Déjeuner des Gottars

ル・デジュネ・デ・ゴタール
IGT TOSCANA ROSSO
品種:サンジョヴェーゼ70%、カベルネ・ソーヴィニョン10%、その他の品種(カナイオーロ、チリエジョーロ、シラー、アレアティコ、コロリーノ)20%。
 
醸造:手摘みで収穫したブドウを完全に除梗して(シラーのみ100%全房)、品種毎別々に野生酵母で温度管理を行わずにオープントップの発酵槽で自発的に発酵。醸造添加物は一切加えずに醸造する。圧搾後、サンジョヴェーゼとシラーはバリック(新樽は用いない)、その他の品種はステンレスタンクに移してマロ発酵と熟成。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2021ヴィンテージは総生産量600本。2023年5月時点のSO2トータルは14mg/l。アルコール度数13度。
『Le Déjeuner des Gottarsル・デジュネ・デ・ゴタール』とはフランス語で、「ゴタール達のランチ」という意味です。そもそもGottars (イタリア語でGottari)とは、イタリアの古い方言で、「ワインを沢山飲む人」という意味です。
 

  
    

Vizioramingo

ヴィジィオラミンゴ
IGT TOSCANA ROSSO
サンジョヴェーゼ70%、カベルネ10%、カナイオーロ5%、チリエジオーロ5%、シラー5%、コロリーノとその他の品種5%
 
手摘みで収穫したブドウを100%全房で、サンジョヴェーゼとシラーは別々に、その他の品種は一緒に野生酵母で温度管理を行わずにオープントップの発酵槽で自発的に発酵。醸造添加物は一切加えずに醸造する。マセラションは足による櫂入れでソフトな抽出に留める。圧搾後、サンジョヴェーゼとシラーはバリック(新樽は用いない)、その他の品種はステンレスタンクに移してマロ発酵と熟成。ブレンドは瓶詰め前に行い、収穫翌年の秋に無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2021ヴィンテージは総生産量2,000本。2023年5月時点のSO2トータルは46mg/l。アルコール度数は13度。
 このキュヴェは自然の四大要素の中の『土』を象徴しているワインです。エチケットのイラストは、トスカーナの田舎に住んでいる老人です。彼は約100歳です。ヴィジィオラミンゴとは「放浪する悪徳」を意味します。ワインとは、人間が造った「高貴な悪徳」です。

  
   

Barbicòa

バルビコア
IGT SYRAH TOSCANA
シラー100%
 
手摘みで収穫したブドウを手作業で除梗し、ステンレスタンクで野生酵母のみで温度管理を行わずに自発的に発酵。マセラションは足による櫂入れでソフトな抽出に留める。圧搾後、フリーランワインのみバリック(新樽は用いない)に移してマロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2021ヴィンテージは総生産量300本。2023年5月時点のSO2トータルは53mg/l。アルコール度数は13度。
このキュヴェは自然の四大要素の中の『火』を象徴しているワインです。バルビコアとは肉を調理するための古代カリブ海の技術で「バーベキュー」の名前の由来にもなっています。冬の間、剪定のために働いている時、焚火の周りに集まる人達の顔は一様に空想的で情熱的です。エチケットのイラストは、そこに居合わせた暖かい外観の「マロカ」を表しています。